
仕事に向いていないことは、退職の理由になる?
自分は向いていないと思うけど、本当に退職すべき?
どうやって退職の意思を伝えたらいいの?
こんな疑問にお答えします!
この記事の内容
- 「不向き」は退職理由になる
- 不向きが理由で退職するべきか
- 退職の伝え方・例文
- 退職を決断した人がすべきこと
この記事を書いた人

フリーランス Web ライターのあずまかです。
30代で10年勤めた会社を退職した経験の持ち主。
「自分は今の仕事に向いていない」と思っていても、本当に退職するべきか、迷うこともありますよね。
迷う時間が続けば、心のモヤモヤも晴れず、仕事に打ち込めません……。
しかし、この記事を読めば、退職の判断基準や伝え方が分かるので、今後の方向性を決めるのにきっとお役立ていただけます。
理想のキャリアを実現したいと考える人は、筆者の実体験も交えてお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
「向いていない」という思考は、退職理由になる

「今の仕事は自分には向いていない」という考えは、退職の理由になります。
仕事や職場が合わないと考えて退職する人は、世代に関係なく一定数いるからです。
厚生労働省の調査結果によると、以下のことが分かります。
退職の理由 | 男性 | 女性 |
仕事の内容に興味を持てなかった | 3.7 | 3.6 |
能力・個性・資格を生かせなかった | 4.1 | 5.1 |
職場の人間関係が好ましくなかった | 7.1 | 8.9 |
会社の将来が不安だった | 6.1 | 5.2 |
給料等収入が少なかった | 7.4 | 6.6 |
労働時間、休日の労働条件が悪かった | 6.6 | 10.3 |
※表の数値は、全体と100とした際の割合
※表に記載のない理由は、結婚や出産、育児、個人的理由、定年、会社都合、その他
参考元:令和3年上半期雇用動向調査結果の概要『転職入職者が前職を辞めた理由』
例えば、仕事の内容に興味が持てなければ「この仕事に向いていない」と考えても不自然ではありませんよね。
表の項目から、退職の理由は人によって違うことも分かります。
いずれかの項目がきっかけで、男女とも3〜4割ほどが転職しているのは事実です。
今の仕事に向いていない・合わないと感じて、退職する人は一定数いると考えていいでしょう。
ただし理由を会社に伝える際には、「向いていないから」と伝えるだけでは、誤解されるかもしれません。
もう少しかみ砕いて伝えたり、伝え方を工夫したりする必要があります。
※理由の伝え方を早く知りたい人は、
>> 「向いていない」と感じた人の退職理由の伝え方・例文にジャンプ!
「向いていない」という退職理由で本当に辞めるべきか

会社を辞めて転職するのは、多くの人にとって割と重要な決断ですよね。
本当に「向いていない」という理由で、退職していいか迷う人もいるでしょう。
ここでは、退職の判断を早々に独り合点しないように、
- 退職すると損するケース
- 早く辞めるべきケース
- 筆者の実例
をご紹介します。
あなたの判断の手助けになれば幸いです。

退職すると損をするケース

まずは、退職すると損をするケースから5つ紹介します。
- 入社3年目ほどの人
- 感情が先行している人
- もともと希望した職種に就いた人
- 自己判断だけで退職を決める人
- 退職後のプランが決まっていない人
それでは解説します!
入社3年目ほどの人
キャリアの浅い人は、辞めることで損をする可能性があります。
まだ、仕事の「やりがい」や「面白さ」に気が付かずに、辞めてしまう可能性があるからです。
どんな仕事も、キャリアが浅いうちは、
- 知らないことが多い
- 初めてやることが多い
- 周りのスピードについていけない
という壁にぶつかることがあるでしょう。
もっとできるはずだと思っていたのに、ミスばかりしてしまう……。
理想と現実のギャップを感じると、辛くなりますよね。
特に社会人なったばかり人は、環境の変化も大きく、余計に大変に感じると思います。
でも、一定のスキルや経験がないうちに、退職するのはもったいないです。
経験を積み自信がつけば、「向いていない」と思う気持ちを乗り越えられるでしょう。
もう少し続けられないかを、ぜひ考えてみてください。

感情が先行している人
ただの「きつい」「楽しくない」という感情を、向いていないと解釈している人は危険かもしれません。
なぜなら、その場を逃れることが癖になり、転職を繰り返す可能性があるからです。
どんな仕事にも「きつい」ことや「楽しくない」ことがあるはずです。
自分でも「甘え」だと思えるなら、転職では状況が改善できません。
ただし、ハラスメントに遭っていると感じる人は、絶対に無理をしないでください。
もともと希望した職種に就いた人
もともと希望していた職種に就いた人は、そのまま続けた方がいいかもしれません。
仕事は「向いているか」も大事ですが、「やりたいか」という気持ちも大事です。
例えば、時間を忘れて何かに熱中した経験はありませんか。
- 部活動
- 受験勉強
- ゲーム
- 漫画
好きなことは長く続けやすいですし、長く続けたほうがスキルも熟練します。
はじめは成果が出ず、辛い気持ちになるかもしれません。
でも、望んでいた仕事に就けたなら、結果が出るまでの過程も楽しめるはずです。
初心を思い出して、まだ頑張る余地はないかを考えてみてください。

自己判断だけで、退職を考えている人
自分の判断だけで、今の仕事は不向きだと考える人は、危険かもしれません。
向いていないと思うのは自分だけで、周りは期待しているケースもあります。
一度、下記のような客観的な情報も参考にしてみてください。
- 客観的な数字
- 友人の意見
- 先輩社員の意見
- 直属でない上司の意見
思っていたことと案外ズレがあったり、違う視点で考えるキッカケを得られたりします。
独断だと視野も狭くなって、ネガティブにもなりがちなので、人の意見も聞いてみてください。
退職後のプランが決まっていない人
今の仕事に「向いていない」と思い、退職することは自由ですし、悪くもありません。
しかし、退職後のプランがまったく決まっていないと、損する可能性が高くなります。
例えば、次のような点がデメリットとして挙げられます。
- 収入がなくなり不安を感じる
- 退職すると社会保険の金額が上がる
- 転職を焦り、会社選びを妥協するリスク
退職後の方向性を考えておけば、在職中から転職活動をしたり資格の取得を目指したりと準備ができます。
今の仕事を辞めた後の生活やキャリアについては、考えておくべきでしょう。
早く辞めるべき人

なるべく早く退職した方がいいケースを3つ紹介します。
- 給与面で会社を選んでしまった人
- 1年続けて楽しいと思えない人
- 明確に向いていることが見つかった人
では確認します!

給与面で会社を選んでしまった人
給与を優先して選んでしまい、入社後に仕事を続ける自信がなくなった人は、辞めた方がいいでしょう。
やりたくないことを無理に続けることは、精神的によくありません。
興味がなく、楽しいと思えない仕事に対して、スキルアップの意欲は湧きませんよね。
仕事は、人生の中でも多くの時間を費やす活動です。
お金を稼ぐ行為だと割り切れる人は少なく、やりがいや自己実現を考えるのが普通です。
その時間が充実していないと、人生そのものに虚しさを感じるといっても過言ではありません。
もっと自分に合うものを見つけて、その仕事に打ち込んだ方がいいでしょう。
1年続けて楽しいと思えない人
1年間続けてみて、楽しいと思える場面が1つもなかった人は、辞めた方がいいかもしれません。
まったく楽しいと思えないのであれば、長く続けることは苦しいです。
たとえ辛い場面が多くても、楽しいと瞬間や達成感を感じる場面があれば、続けられますよね。
しかし、1つもポジティブな感情が湧いてこないなら、本当に仕事が合わなかったのかもしれません。
何事もやってみないと分からないので、「楽しいと思えなかった」のも経験です。
次の仕事選びに活かせると前向きに考えて、退職を検討しましょう。

明確に向いていることが見つかった人
今の仕事より「向いていること」が見つかり、挑戦したいなら早く退職しましょう。
「向いていること」が「やりたいこと」なら、今より圧倒的に充実した時間が過ごせるでしょう。
また、好きなことが人より得意なことなら、成果が出るのも早いはずです。
自分のやりたいことに、出会えることはとても幸運なことです。
人生の時間は限られています。
今の職場の居心地がよかったとしても、情に流されずにすぐに行動しましょう。
【筆者の実体験】3年目で辞めたくなった、けれど10年以上続けた話
ここからは筆者の実体験をお伝えします。
「実体験にはあまり興味ないな〜」という方は、
>>「向いていない」と感じた人の退職理由の伝え方・例文にスキップしてください。
私は社会人3年目のときに「仕事に向いていない」という想いから、退職を希望をしています。
周りの同期社員には昇格者も出るなか、理想通りにいかず自信がなくなっていました。
今考えれば経験不足だっただけですし、「出世の早さ」が「人の価値」みたいに思っていたんですね。
人の成長のスピードは各々違いますし、会社の物差しがすべてではありません。
振り返ったときにそう思えますが、「若さゆえ」にそんな思考も持っていませんでした。
当時は上司に引き留められたこともあり、続ける決意をします。
結局、10年以上も勤めて退職しますが、私なりに充実した会社員人生が送れました。
3年で辞めるよりは、続けてよかったと感じています。
退職の迷いを感じた末、辞めない決意をした経験から感じた
- 辞めなかったメリット
- 辞めなかったデメリット
も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
辞めなかったメリット
仕事を続けてよかった点は、以下のとおり。
- やりたいことができた
- スキルアップして自信がついた
- 世の中を知ってキャリア選択ができた
- 会社や業界の良し悪しが分かった
キャリアが浅いときは、思い通りにいかないことが多かったです。
しかし継続したことで、スキルや自信が身につき、やりたいことも実現しました。
また20代前半で退職していたら、会社や業界のことはしっかり理解できていなかったと思います。
どんな仕事も長く続けたから分かることが、あるのではないでしょうか。
辞めなかったデメリット
仕事を辞めなかったことで、後悔した点は以下のとおり。
- 市場価値が高まらなかった
- 漠然と勤めてしまった
やりがいがあっても、待遇や働き方に無理があれば、だんだん苦しくなるのが現実です。
例えば、歳を取れば体力は衰えますし、必要なお金が増えることが多いですよね。
結婚や出産、子育てなどのライフイベントが次々と起こり、多くの人は時間の使い方も変わります。
したがって漠然と勤めるのではなく、30代になる前までに、1度は以下のことを考えるのをおすすめします。
- 会社や業界の将来性
- 転職する場合の市場価値
- 今後のキャリアプラン
何か新しい挑戦をするなら、少しでも若く、身動きが取りやすい状況のほうがいいです。
私の場合は、30代になり会社との価値観のズレが生じ、退職に至りました。
しかし、将来のことを考えられていたら、もう少し早く退職していたと思います。
会社や業界に将来性があるなら、そこで頑張るのも選択肢ですね!

「向いていない」と感じた人の退職理由の伝え方・例文

退職理由は上司に口頭で、正直に伝えるのが理想です。
ただ「向いていないから辞めます」と伝えても、言葉が足らず誤解される可能性が高くなるかもしれません。
では、仕事に「向いていない」と感じる場合は、どう伝えるのがいいのでしょうか?
ここでは、そのまま転職活動にも活かせる退職理由を例文を使って解説します。
しっかりチェックしましょう!

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昔から挑戦したいことがあった
おすすめの伝え方の1つ目は、「昔から挑戦したいことがあった」です。
こう伝えれば、会社や仕事に向いているかどうかは、問題外になります。
また、不満が退職理由でないなら、改善点もないので引き留めようがないですよね。
伝え方の例は、以下の通りです。
お疲れ様です。
お忙しいところお時間を割いていただき、ありがとうございます。
今後の勤務に関してなのですが、○月をめどに退職をさせてください。
実は、昔から挑戦してみたい仕事があり、どうしてもその道に進みたい気持ちが強くなっています。
とてもお世話になったので、心苦しいのですが、私としても中途半端な気持ちでずっと勤め続けられません。
引き継ぎや日々の業務は、退職日までしっかり全うします。
これまでの多くのご指導、本当にありがとうございました。
ポイントは、
- 明確に退職の意思を伝える
- やりたいことがあると断言する
- 感謝を伝える
の3つです。
夢に挑戦する人は、引き留めにくいですよね。

別の分野への興味が強くなった
おすすめの伝え方の2つ目は、「別の分野への興味が強くなった」です。
このように言えば、やんわりと仕事や価値観が合わなくなったのが伝わるでしょう。
他部署への異動を進められる可能性もあるので、会社で実現できない分野であると伝えてください。
伝え方の例は、以下の通りです。
〜前後の文は、昔から挑戦したいことがあったパターンの太字以外と同じでOK!〜
働きながら今後のキャリアのことを考えたのですが、興味のある分野をこれからの仕事にしたいと思うようになりました。
「昔から挑戦したいことがあった」パターンとの違いは、多くのことを学んで他の分野に興味が湧いたという背景です。
身につけたスキルが活かせる分野やまったく新しい分野が、次の活躍の場にもなり得ますよね。
「向いていない」からというより「もっとやりたいことがある」ことをアピールしましょう!
「向いていない」という退職理由の人がやるべきこと

今の仕事が自分には「向いていない」と思う人は、退職する前に次のことをやっておきましょう。
退職する人がやるべきこと
- 自己分析をする
- 市場価値を知る
- 実際に転職活動をする
自分に合う仕事を見つけて、理想のキャリアを実現しましょう。
自己分析をする
今の仕事が合わないと感じている人は、退職を進める前に自己分析をしてください。
自己分析ができていないと、また次の仕事選びでミスマッチが起きます。
例えば、これまでの体験を掘り下げる方法があります。
- 楽しかったことは何か
- 辛かったことは何か
- 熱中したものは何か
- 人より得意なこと(実績)は何か
- 向いていないと思うことは何か
- やりたくないことは何か
- これから何を達成したいか
各項目を思い浮かべた後は、それぞれ5回ほど「なぜ?」と掘り下げてみてください。
例)
1.どんなことに熱中してきたか?
→ブログ
2.なぜブログなのか?
→1人で淡々と作業できる
3.なぜ1人で作業できるのがいい?
→他人を管理しなくていい
4.なぜ他人を管理しないのがいいのか?
→他人にあれこれ言いたくない
5.なぜ他人にあれこれ言いたくないのか?
→他人に気を遣いすぎて疲れる
【上記から分かること】
- 個人で黙々とやる仕事の方が向いている。
- 人との心理的な距離が近い仕事は避ける。
紙に書くなどして、可視化してください。
自己分析で、仕事探しの軸が作られます。

長所や短所は、自分では見つけにくいので、家族や友人に聞いてみましょう。
市場価値を知る
転職する際に、自らの市場価値を知っておくことは重要です。
市場価値とは?
ここでの市場価値とは「転職の人材市場における価値」を意味する言葉です。
専門性やスキルに対する需要が高いほど、人材としての価値が高くなります。
自分の市場価値を客観的に知ることで、転職活動は変わります。
例えば、市場価値が高ければ有利ですが、そうでなければ資格を取得するなどで価値を高める努力も必要です。
転職の戦略を決めるためにも、自分の市場価値を知るのは大事になります。
市場価値を知るには、以下のサービスで相談してみよう!

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実際に転職活動をする
自分に合う仕事を見つけるために、転職活動をしましょう。
転職活動をしてみると、自分の市場価値を肌で感じられます。
例えば、転職サイトでどんな企業があるかを調べると、真剣にキャリアを考える時間が持てますよね。
実際に応募してみると、企業からの反応で、転職活動の手応えを知ることも可能です。
特に初めて転職をする人には、転職エージェントがおすすめ!

転職エージェントには、以下のメリットがあります。
- 企業の内部情報が知れる
- 非公開の求人情報がある
- 職務経歴書の作成がスムーズ
- すべてのサービスが無料
- キャリアアドバイザーと相談できる
転職を知り尽くしたプロから、客観的な意見が聞けるので、キャリアの方向性を固めやすくなります。
退職を決意した人は、転職エージェントを利用するのがいいでしょう。
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「向いていない」という退職理由の人は適職を見つける努力を!

最後にこの記事のポイントを確認します。
- 不向きは、退職理由にしてもOK
- 退職理由の伝達は、少し工夫しよう
- 理由によっては、退職は考え直すべき
- 退職するなら、キャリアプランが大事
初めから本当に「やりたいこと」を見つけられる人や「向いている」ことを仕事にできる人は、なかなかいません。
どんな成功者も色々な試行錯誤の末に、理想に近づいています。
自分に向いている仕事を探すのには、時間や労力が必要です。
しかし、自己分析や転職活動は、プロの力を借りることが可能。
便利なサービスを利用し、少しでも最短距離で次のキャリアを見つけてください!
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理想のキャリアを実現して、楽しいライフを〜!
