
ストレスから体調不良になってしまった……
体調不良って退職理由として認められる?
退職の意思はどう伝えたらいいの?
こんな疑問を解決します。
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フリーランスWebライターのあずまかです。
10年以上勤めた会社を30代で退職しました。
ストレスによる体調不良から抜け出せなければ、その苦しい状況は今もこの先も何も変わりません……。
しかし勇気を出して退職すれば、理想のキャリアに近づいて、より楽しい人生が送れる可能性が広がります。
仕事や職場のことを考えると辛いという方は、退職も視野に入れつつ、ぜひ最後までお読みください。
ストレスが理由で体調不良になるなら退職してOK

結論、体調不良は退職の理由になります。
体調不良による退職は、決して甘えではなく、とても真っ当な理由です。
会社にも、正直に伝えて構いません。
ここでは体調不良が、退職理由として真っ当であるという根拠を解説します。
体調不良が退職理由になる3つの根拠
- 体調不良はやむを得ない事由
- 会社は退職を止められない
- ストレスと退職に関するデータ
それでは、1つずつ見ていきます。

体調不良での退職はやむを得ない事由
体調不良になった人が、退職の意思を伝えたなら、会社はその退職を止められません。
民法628条によって、体調不良は退職の「やむを得ない事由」として認められています。
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
仕事のストレスが原因で、体調不良になっているのが認められれば、労働災害になるケースもあります。
繰り返しますが、体調不良は退職理由として正当です。
退職を伝えたその日から、無理して職場に行かなくても構いません。
会社は退職を引き止められない
退職の意思を示した人を引き止めて、会社が在職を強要することは、違法になる可能性あります。
なぜなら、在職を強要することは強制労働に該当し、法に触れる恐れがあるからです。
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
もし、在職を強要したことが違法と認定されたら、会社が処罰を受けます。
ストレスや体調不良に関する退職のデータ
ストレスが原因で体調不良になるのは、甘えではありません。
労働環境や人間関係など理由はさまざまですが、一定の人がストレスや体調不良によって退職や休職をしています。
厚生労働省の調査によると、過去1年間でメンタルヘルスの不調により、
- 連続1か月以上休業した人
- 退職した人
がいる事業所は、全体の10.1%存在します。
また同じ調査で「現在の仕事にストレスを感じる事柄がある」と回答した労働者は、全体の53.3%です。
誰しもがストレスを抱え、仕事にいけなくなったり退職を考えたりする可能性があることを示しています。
もしかして「退職を考えるのは、自分だけなのかも……」と思っていた方も、安心してください。
ストレスを感じているのは、あなただけではありません!

ストレスからの体調不良が理由で退職する際の流れ

退職を決めたら、どんな流れで退職をするのか気になりますよね。
ここでは、ストレスからの体調不良が理由で退職する場合に、どのようにして退職をするかを解説します。
退職までの流れ
- 病院に行き、診断書をもらう
- 就業規則に合わせ退職を伝える
- 退職届を提出する
流れをチェックしましょう。

1.病院に行き診断書をもらう
まずは体調を回復するためにも心療内科に通い、診断書の発行を医師に依頼しましょう。
法律には「体調不良で退職する際に診断書が必要である」という決まりはありません。
ただ、あなたの体調不良が仕事のストレスに起因する事実を、会社に知ってもらう客観的な根拠となります。
また診断書の有無は、基本手当(失業保険)の受給に影響する場合があり、
- 給付日数
- 給付制限期間
で優遇されます。
参考:ハローワーク インターネットサービス 「基本手当の所定給付日数」
会社に提出する必要を率直に伝えれば、虚偽でない限り診断書は発行されます。
ただ、診断書はすぐ発行できないこともあるので、その場合は後日受け取りましょう。
この際、会社を欠勤する人は、きちんと連絡をして休みをもらってください。
なぜ診断書があった方が、雇用保険が優遇されるの?
体調不良は一身上の都合なので、基本的には「自己都合退職」です。
しかし、傷病などを患い退職者した人は、特定離職理由者に認定されます。
診断書があれば、仕事のストレスが原因で体調不良となった客観的根拠となります。
その根拠が、特定離職理由者に認定される基準という訳です。
参考:厚生労働省 「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」
また以下のことが、退職や体調不良の原因なら「労災」に認定されることもあります。
- ハラスメント
- 職場のいじめ
- 悪質な労働環境
可能な限り診断書は、準備しましょう。
2.就業規則に沿って退職を申し出る
退職を申し出るのは、会社の就業規則に準ずるのがいいでしょう。
退職までの流れは、就業規則で定められています。
一般的には、退職を希望する6か月前から1ヶ月前までが退職を伝える期限です。
その理由としては、
- 引き継ぎ
- 後任の人選
- 事務処理の期間
が必要になるからです。
なるべく円満に仕事を辞めたい人は、就業規則に従ってください。
ただ、体調が悪い場合は急を要しますので、就業規則を守る必要はありません。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
上記のように、民法627条によって、2週間前に告知すれば退職ができることが定められています。
精神的に追い込まれており、体調が悪いなら無理に仕事に行く必要はありません。
ただし、無断で欠勤すると給与や退職金で損をする可能性があります。
欠勤するなら連絡をして休みをもらい、これ以上勤務できない旨も早めに伝えましょう。
3.退職届を提出する
退職の意思を会社が受理した後は、退職届を提出しましょう。
退職届に法的な義務や効力はありませんが、会社が提出を求めるのが一般的です。
会社は言った言わないのトラブルを避けるために、あなたに退職届を書いてほしいと考えるんですね。
通常は、退職届を出す前に、先に以下の方法で退職の意思を伝えます。
- 口頭
- 辞表の提出
- 退職願の提出
退職の意思が受理された後に、退職届を出す必要があれば出しましょう。
退職届は会社とあなたの間で、退職の同意が取れたという証拠になります。
ストレスが理由で体調不良になった人の退職の伝え方と例文

理由がどうであれ、退職の意思は「上司に直接伝える」のが理想です。
しかし、職場や仕事のストレスから体調不良になった人には、難しい場合もあるかもしれません。
そんな方は、会社に行かなくても大丈夫。
退職の伝え方は、就業規則がどうであれ、法律では特に何も定められいません。
ここでは、ストレスで体調不良になった方へ、退職の伝え方を解説します。
退職の伝え方と例
- 電話で伝える
- メールで伝える
- 郵送で伝える
- 退職代行を使う
では、1つずつ解説します。
電話で退職を伝える
体調不良やストレスが原因であることは、できるだけ正直に伝えつつ、退職の意思を伝えましょう。
電話で伝える場合の例は、以下の通りです。
お忙しいところ、恐れ入ります。
今後の勤務のことについて、相談をさせていただきたく、お電話をさせていただきました。
ただいま、お時間をいただいてもよろしいでしょうか。
この度、一身上の都合により、退職したいと考えています。
このところ体調不良が続いており、病院で検査をした結果、治療が必要で早期回復は難しいと診断されました。
治療に専念するために、退職したいと考えております。
これまで本当にお世話になりました。
本来であれば直接お話したかったのですが、体調が悪くどうしても出社できませんでした。
お電話という形になってしまい、申し訳ありません。
伝達のポイント
- 電話のタイミングを考える
- お詫びや感謝を伝える
- 欠勤の連絡とは別に連絡をする
- 退職の意思をきちんと伝える
症状を聞かれる可能性は高いですよね。
しかし、どうしても言いたくなければ「個人的なことで、言いにくいです」と押し切ることも可能です。
差し支えがないなら、退職をスムーズに進めるために、状況は詳しく伝えてください。
また、後々のトラブルを避けるために、できれば通話録音アプリで電話の内容を録音するのがいいでしょう。
メールで退職を伝える
直接話したり電話で話したりするのが難しい場合は、メールで退職の意思を伝えることも可能です。
ただし、非常識だと思う人もいるかもしれません。
しかし、体調不良で出社が難しい旨をきちんと説明し、退職の際に引き継ぎをすれば理解は得られます。
以下に、メールの文例を記載します。
題:体調不良による退職のご相談
本文:
お疲れ様です。〇〇です。
この度は、欠勤でご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
突然の申し出になりますが、○月をめどに退職をいたします。
体調が悪く、心療内科(※別の科でもOK)に掛かりましたが、早期回復は難しいので治療に専念すべきだと診断されました。
体調不良で出勤することが難しいので、私自身も今は休むことが必要だと考えています。
また、欠勤で会社に迷惑をかけ続けることも避けたいので、退職の決断をいたしました。
急な退職になり、大変ご迷惑をおかけいたしますが、退職日までは有給休暇とさせていただければと存じます。
これまで、多くのご指導ご鞭撻を賜り、本当にありがとうございました。
また本来であれば、直接お話すべきことです。
しかし、体調不良で出社が難しく、〇〇さんのお時間をいただくことも差し控えるべきだと思い、まずメールでご連絡いたしました。
引き継ぎや退職の手続きは、きちんといたしますので、出社日に関してのご相談をさせていたけだればと思います。
お忙しいところご迷惑をおかけして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
〇〇
伝達のポイント
- お詫びをする
- 感謝を伝える
- 体調不良で出社できないのを伝える
- 退職の意思をきちんと伝える
おそらくメールを見た会社の人から、電話やメールでリアクションがあるでしょう。
電話に出るのは嫌な人もいるかもしれませんが、退職の話を進めるために、早めに応対してください。
電話で話す内容は、送ったメールと同じで構いません。
メールのやり取りは、きちんと退職の意思を伝えた証拠として、残しておきましょう。
郵送で退職を伝える
退職は電話やメールでなく、郵送で伝えることも可能です。
体調不良であれば、やむを得ません。
郵送する書面の文面に関しては、メールの文例を参考にしてください。
退職願や辞表は必ずしも必要ではありませんが、一緒に郵送して正式に退職の意思を伝えましょう。
退職届は、会社が指定する書式や準備された書面に書くケースが多いです。
必要な状況になれば、書いてください。
郵便局から内容証明という形で送ることで、きちんと受理されます。
退職代行サービスを使う
そもそも体調不良の原因が、仕事や職場のストレスにある人は、会社とやり取りをするのも嫌ですよね。
そんな方は、退職代行サービスを使って会社に退職の意思を伝えましょう。
退職代行は、退職の意思を伝えるだけでなく、退職にまつわる交渉も引き受けてくれます。
料金はかかりますが、弁護士事務所や労働組合系のサービスを利用するのがおすすめ。
リスクを伴う交渉も、プロに安心して任せられます。
体調不良を我慢して、限られた人生の時間を浪費しているなら、サービスを使ってスパッと辞めましょう。
体調不良やストレスが理由で退職する人によくある質問

ここでは体調不良やストレスが原因で、退職する人が抱える悩みや疑問にお答えします。
履歴書や職務経歴書に体調不良の記載は必要?
履歴書や職務経歴書に、退職理由を書く必要はありません。
退職理由は面接で聞かれるので、その際に「体調不良が理由である」と正直に答えればOKです。
ただし、面接では以下のことに気をつけてください。
- 前職の愚痴を言わない
- 自己管理やストレスの大切さを語る
- ワークライフバランスを重視することを伝える
話をするときの、表情や声のトーンが暗くならないように気をつけましょう。
過去の体験を引きずっている感じを出すのはNGです。
採用担当者は、あくまで会社であなたが前向きに働いてくれそうかを見ています。
退職理由をあえて書く人は、ポジティブな理由を書くといい印象を与えるでしょう。
パート・アルバイトでも体調不良を理由に退職できる?
結論、パートやアルバイトの方も体調不良が理由であれば、退職は可能です。
パートやアルバイトは、期間の決まった雇用形態なので、通常は契約期間中の退職は認められません。
しかし、体調不良は「やむを得ない事由」なので、契約期間中でも退職は可能です。
他にも次のような状況であれば、契約期間満了を待たずに退職が認められます。
- 雇い主の許可がある場合
- 雇用期間が1年以上ある場合
(すでに1年以上働いている)
参考:厚生労働省 労働基準法に関するQ&A『有期の労働契約を結ぼうと思っているのですが、労働基準法には契約期間の制限はありますか。』
働く人がストレスで体調不良になるような不健全な状況が認められれば、勤務先が行政から指導を受ける可能性もあります。
あなたの体調不良が虚偽でなく、診断書が出るようなら、自信を持って退職の意思を伝えましょう。
ストレスからの体調不良は正当な退職理由です

最後にこの記事の要点を確認しましょう。
この記事の要点
- 体調不良は退職理由として正当
- 意思を伝えて2週間で退職は可能
- 診断書があったら退職前後が楽
- 退職の報告は電話やメールでOK
社会に出れば誰でも責任を追うので、多少の緊張感は必要でしょう。
しかし過度なストレスも存在し、体調不良に陥る可能性は誰にでもあります。
「甘え」というレベルでは、片付けられない話も散見しますよね。
もしあなたが、今苦しい状況なら、退職の経験者として一言伝えたいです。
「選択肢は1つではありません!」
今の仕事ではなくても、あなたが幸せになれる方法はあります。
- 役職を降りて、副業を始めるのもOK
- スパッと退職して、転職するのもOK
- スキルを活かして、独立するものOK
固定観念にとらわれずに、もっと自由に生きていいはず。
理想のキャリアを実現するためには、決断が大事ですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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